我が家は、賃貸マンションに15年住んだのち、中古戸建てを購入して引っ越しました。
それまで住んでいた賃貸マンションですと、息子に個室を与えようとすると部屋数が足りなくなります。
彼が小学生の間は個室は必要ないと考えていましたが、中学生になったら思春期としての対応が必要ですから個室を用意してあげたいなと。
となるとマンションより戸建ての方が間取り的に合います。
また、彼が小学5年生に上がる頃に、マンションの家賃の値上げ予定の通告が来ました。これがなんと率にして13%値上げ。
その金額なら、家を買って住宅ローンの支払いに宛てた方がいいよねという話にもなりました。
値上げの時期は2年後の更新時からだったので、ちょうど中学に上がる頃とタイミングが合致します。
それなら戸建てを買おうと、家探しが始まりました。
とはいえ、僕ら夫婦は就職氷河期世代で金銭面では苦労してきたこともあり、身の丈に合って無理のない範囲での戸建て選びとなると、中古戸建てが選択肢のトップに来ます。
また、金銭的な事情もさることながら、僕ら夫婦は新築にこだわるより立地を優先したいという考えがありました。
立地や家に対する希望の内容は後述しますが、毎週末に欠かさず物件探しをして、1年ちょっとで希望にかなり合致した中古戸建てに出会い、購入に至ったという流れです。
金銭事情や子どもの学区問題、周りの環境や交通の便等を含めて総合的に考えると、今回の中古戸建てはとても満足のいく買い物となりました。
見つけたのは不動産ポータルサイトのアットホームから。我が家的に優先順位の高い立地の条件にそこそこ合致した家があったので、不動産会社に連絡してまず内見へ。
家は築37年と年数は経過しているものの、お風呂やトイレは10年ちょっと前にリフォームしてあり、全般的に手入れがなされている悪くない建物でした。
建築したハウスメーカーのことを聞き、当時の建築確認の図面等も見せてもらったところ、「この家は買いだ!たぶんすぐに売れてしまう」と直感的に感じ、土曜日に発見→ 翌週水曜日に内見(すでに3番手)→ その週の土曜日に、購入に前向きの意思表示という1週間で決めるスピード決心でした。
1000万円単位の買い物を、そんなにすぐに決めたの!?という声が上がりそうですが、
- 1年間、毎週、金曜日と土曜日にアットホームを真剣にチェック
- そのさらに5年前からゆるく物件をチェックしていて相場感は把握していた
- 条件の範囲にある物件が出たら買うつもりで前もって資金計画をある程度立てていた
- 大学新卒時にハウスメーカーに勤務(とはいえ2年ほどで辞めたけど)
- 宅建の試験には合格済み(だいぶ昔だけど)
- 築40年超の築古戸建てを2戸借金して買って賃貸に出している
というバックボーンがありまして、前もってある程度の資金計画を立てて真剣に探していて、かつ、そこそこ不動産には知識があったので決心できたという訳です。
また、いい物件はすぐに売れてしまうということも知っていましたので、「これは即決しないとダメなやつだ」とすぐに判断しました。
とはいえスピード決断が良いという訳ではありませんので、建物に関する重要ポイントをしっかり見極めて判断することが大切だと思います。
※契約前にインスペクションは入れましょう。
で、キッチン入れ替え、ダイニングとリビングの床を張り替え、というリフォームをして入居に至ります。
そして、この購入にはまったく後悔はなく、大きな金額の買い物ですが、お得度・コストパフォーマンスを考えると、今までの人生で一番良い買い物ができたのではと今でも思っています。
100点満点の家は探せない=優先順位を明確にする
駅から遠くなくて、環境が良くて、日当たり風通しもよくて、間取りがほぼ理想的で、それほど古くない家を、できるだけ安く買いたい!
家探しを始めると、新築・中古にかかわらず、最初はついつい上記のように考えてしまいませんか?
気持ちはよく分かります。でも、それは叶わないんですよね。
仮に、立地や建物で満足がいく物件があったとして、それが相場より安く買えるということは基本的にはありえないんですよ。
そんな物件があったら、業者が買って利益を乗せて、相場なりの価格で再販します。
厳密に言うと、そういう物件が出てくる可能性もなくはないのですが、その物件の話があなたにピンポイントで来るのか?ということ。
※ここは別ページでその可能性について話します。
また、立地も建物も両方ほぼ理想通りということも、かなりハードルが高いです。なぜなら、特に中古戸建ては完全に1点物だからです。
新築分譲戸建てですと、ほぼ同じ立地に建物の作りが似たような家がいくつか存在することになり、その範囲内でどれを選ぶか悩むことができます。
しかし中古戸建ての場合は、すでに街に組み込まれている場所がたまたま売りに出るわけで、そのたまたま売りに出た家の建物の作りや間取りが自分にとって理想的ということは、一歩引いて考えてみると、そうそうないなとお気づきになると思います。
つまり、あれもこれも希望を満たせる中古戸建てを追い求めていたら、いつになっても出てこない、理想の物件が売り出されるまで待っていたら買えるのは何年先か…となってしまう訳です。
ですので、条件を明確にして要望の優先順位をしっかりつけることが大事です。
そうしないとあれこれ迷いが出て、もし良い物件が出ても買い逃し「いつまでも買えない」もしくは「思っても見なかった妥協した家を買わざるを得ない」という事態に陥ってしまいます。
我が家のマイホーム購入の優先順位
妻と考えをすり合わせた結果、我が家の中古戸建てに求める希望の優先順位は下記となりました。
- 学区内、もしくは学区隣接で転校せずに通える
- 日当たりがよく、風通しもそこそこよい
- 周辺環境がうるさくない、落ち着いたところ
- 擁壁NG、旗竿地は避けたい、地盤の悪い場所NG、前面道路と道路付け
- 駅まで徒歩15分ぐらいまでがいいな
- 家は古くても良いが新耐震はクリア
- 予算はひとまず相場相応(新築時の6割ぐらい?なら嬉しい)
1,2は必須、3,4は可能な限りそうしたい、です。
5は、場所次第で許容範囲はもっと広がる可能性ありと考えていました。
これ、建物のことはほとんど入っていませんよね。部屋数のことを考慮する必要はありましたが、我が家はまず立地ありきで考えていました。
僕らが建物は後回しでいいと考えていた理由は、後ほど説明しますね。まずは我が家の優先順位の高い方から解説を。
1位,学区内、もしくは学区隣接で転校せずに通える
中学受験も視野に入れて小5から塾に通い始めました。しかし小5の12月で撤退を決定。
これにより、地元の中学に通うこと決まったので、その学区の範囲内(隣接でもOKだが学区変更で通える範囲内)で探すということが明確になり、グッと探しやすくなりました。
⇛◯:予定通りの地元の中学校に通えるところに購入できました。
2位,日当たりがよく、風通しもそこそこよい
1日じゅう日当たりが悪い家は避けたい。また、夫婦二人とも昭和生まれということもあってか、春や秋は窓を開けて風を通す住環境で暮らしたい。
我が家は、僕が在宅で仕事をする率が高いので、上記2点の希望ははずせません。妻も上記の環境面での優先度はかなり高いものでした。
仮に、「最寄り駅まで徒歩5分だけど日当たりも風通しも悪い家」と「駅まで15分以上かかるけど日当たりも風通しも良い家」が売りに出たときに、どちらがいいか?という話をした時に、夫婦そろって後者の方がよいとなりました。
⇛◯:希望がかない、前面道路と庭が南向きで日当たりが良く、坂の上なので風通しも良い家が買えました。
3位,周辺環境がうるさくない、ある程度落ち着いたところ
以前の賃貸マンションは、線路と国道の間に位置し、どちらも直線距離で50~60メートルぐらいでした。
となると気になるのが騒音問題。
線路側の窓を開けていると、電車の音でテレビが聞こえなくなったり会話が難しいという状況でしたが、窓を閉めれば音は電車の音はほぼ気になりません。
電車は、このぐらいなら慣れれば全然平気でした。夜は終電で運行が終わって静かになるからですね。
国道側の窓を開けると、大型車の通行の音や時にクラクションの音などが聞こえますが、こちらも窓を閉めていれば気になりませんでした。
しかし、電車とは異なり国道は24時間車が通行していて、特にトラックは深夜や早朝に走ることもあって、線路より幹線道路の方が夜の睡眠を妨げる騒音の影響が大きいということは実感。
また、バス含めて大型車が近くを通ると、もし戸建てなら揺れもそこそこ感じるだろうと。
そんな訳で、幹線道路近くやバス通り沿いは避けて、少し住宅街の中に入ってある程度静かで落ち着いた環境という希望も上位にありました。
⇛◯:バス通りから徒歩4分ぐらい奥に入った住宅街。前面道路の車通りは多くなく、静かで落ち着いた環境の家が買えました。
4位,擁壁NG 旗竿地は避けたい 地盤の悪い場所NG
擁壁のある家は避けたいと思っていました。というのも、擁壁はいつか傷みが出て補修が必要になった際に、とんでもなくお金がかかるからです。
(でもね、擁壁の上だと日当たり良いし風通しも良いんだよね…)
最近住宅街でよく見かけるのですが、以前は1軒の家が立っていた敷地を、2分割して2軒の家を建てて建売戸建てとして売っているという光景。
このパターンですと、奥の家はアプローチが細長い敷地になっている旗竿地になっていることがほとんどです。
旗竿地に建つ家ですと、優先順位2番目の「日当たり・風通し」があまり良くない場合が多いので、基本的には避けたいと思っていました。
また、もし、買った家を売るとなった際も、地型(じがた=敷地形状)が良い方が売りやすく少しでも高値になる傾向があるからです。
元田んぼや湿地を埋め立てたような地盤の悪いところもNGです。地震に弱いですし、住んでみると湿気の多さを感じることは間違いないからです。
湿気が多いと家の傷みは早くなります。住んでいても不快ですしね。
前面道路と道路付け
あと、再建築不可の家(敷地)は完全に除外しました。
(売るときに困るからです)
⇛△:ほんのり擁壁物件を買いました。その点では妥協しましたが、1メートルいかない高低差ですので何かあっても対応できるかなと。擁壁の高さ分、日当たりと風通しが良いのでOKです。
5位,駅まで徒歩15分ぐらいまでがいいなぁ
中古戸建てを購入する前の賃貸マンションに住んでいた時に、夫婦ともに仕事に行くのに駅(電車)を使う必要がありませんでした。
このまま子どもの学区が変更にならない範囲の場所への引っ越しなら、通勤に大きな影響・変更はありません。
そのため、駅までの距離の優先度は低いものでした。
探し始めた当初は中学受験も考えていたので、となると駅まで徒歩10分前後ぐらいまでの範囲と思っていましたが、撤退したことで、もっと遠くてもいいかと。
徒歩15分ぐらいまでなら全然OKで、20分なら検討の範囲内。30分だとちょっと遠いねという感覚でいました。
あとは、バス路線の方向かどうかで駅までの距離の許容範囲が変わってくるなと思いつつ、探していました。
⇛△:駅から徒歩20分の家を買いました。希望よりやや遠いけれど、バス路線の方向にあって、しかもバス停から徒歩4分ぐらいの家です。
さて、ここまで希望の上位の内容を見てきましたが、優先順位1位、2位、3位の希望はかなっています。
4位、5位の希望は妥協しましたが、他の希望との兼ね合いで許容範囲に収まるものでした。
ここまで立地に関することばかりでしたが、以下でやっと建物の希望に入っていきます。
6位,家は古くても良いが新耐震はクリア
優先順位の6番目になってはじめて建物の希望が出てきます。
間取りが4LDK欲しいという希望はあるものの、建物の優先順位は下位になった理由は、「駆体に関わるところ以外は、後からリフォームでなんとでもなることが多い」からです。
立地は替えがききませんが、建物はお金があれば(今、そのお金がなくても後々貯まれば)、自分好みに変えていくことができます。
もちろん、木造軸組工法なのか、ツーバイフォー他パネル系工法なのか、鉄骨造なのか、あるいはRC・ALC造なのかで、自由にリフォームできる度合いは異なりますが、キッチンやトイレといった設備関係や壁紙などの内装は、どの工法であってもほとんどの場合、後からどうとでもできます。
ただし、建築された時期で耐震基準が変わってきますので、新耐震基準のクリアは必須と考えていました。
新耐震基準は、震度6強~7程度の大規模地震でも倒壊しないことを想定した基準で、1981年6月1日以降に建築確認がされた建物に適用されています。
新耐震基準前の旧耐震の建物は、さすがに古くて地震が心配なのでNG。
木造住宅については、1995年の阪神・淡路大震災が最大震度7だったことを受けて2000年基準が新たに設けられましたが、僕ら夫婦は、地盤が悪くなければそこまでの基準はクリアしていなくてもOKとしていました。
⇛◯:買った家は1987年築の家でしたので新耐震はクリア。台地のほぼ上なので地盤も良し。
しかも、大手ハウスメーカーのツーバーフォーで、図面一式をしっかり見せてもらえて、かつ簡易なインスペクションを入れてくれているので建物に対する信頼度がありました。
さらに、前の持ち主さんは、14年前にトイレリフォーム、その後お風呂と洗面所もリフォームしていまして、これはかなりラッキーです。
不動産業者がリフォームして売主になっている場合、もちろんしっかりリフォームしてくれている場合もありますが、不具合箇所を隠すようにして表面だけキレイにリフォームしている場合もあるので、一般の住まい手の方がリフォームを済ませてしばらく住んでいた状態はちょっと安心材料でもあります。
不具合があれば住んでいる中で直しますし、直さないで住んでいても、売買にあたってその点は伝えないと売主が後から不利になりますので。
ちなみに、新築の注文住宅を建てられる予算があっても、僕ら夫婦はあくまで立地が優先で、新築にはこだわらず立地が良い中古戸建てが売りに出ればそちらを優先しました。理由は大きく3つ。
- 住宅ローンの支払に余裕を持っておきたい(家にお金をかけるのではなく、生活を快適に上手く回していくことにお金をかけたい)
- あれこれこだわっても、最初の戸建てだと「ここをこうすればよかった」が多々でてくる(家は一生に一度の買い物と思っていない)
- ピカピカの新築だと子どもが汚したり傷づけたりした場合に心穏やかにいられない。そんなことで叱る回数は減らしたい(親と子の両方のストレス軽減)
といったところです。
7位,予算は地域新築相場を目安に考える
優先順位の7位に予算の話が出てくるのはおかしくないか?予算ありきではないの?と思われるかもしれません。
たしかにそうなのですが、年齢から言って30年超の住宅ローンを組むのはキツイので(途中で亡くなる前提で団信に入って80代まで組むという手も最近はあるようですが)、おのずと上限は決まってきます。
中古戸建の価格は本当に様々ですので、まず新築の価格をひとつの基準・目安にしつつ、様々な中古を見て相場感を養っていました。
僕ら夫婦が住まいを探している地域(国道16号沿線エリア)の新築戸建の価格帯は、
- 飯田グループの新築建売の最安で3300万円~ぐらい
- 3800万~4300万円ぐらいが他社含めて新築建売ボリュームゾーン
- 大手ハウスメーカー新築分譲建売だと5000万円台に乗ってくる
- 地場の工務店系やローコストビルダーは飯田グループより安いのもあるが、そこそこ上の価格帯もあり
という感じです。
これらを基準に地域の中古戸建ての情報を見続けていると、相場が分かってきました。
(初稿執筆時が2025年で、その少し前の相場感覚です)
同じような広さや築年数の建物であっても立地によって価格には差がありますし、それ以上に売主の考え方次第で価格に大きく差があるのですが、安いものは新築の4割ぐらい、高いものは新築建売ボリュームゾーンと同じぐらいなものも散見されます。
傾向としては、おおむね新築価格の4割から8割ぐらいで売りに出されるな、と。
となると計算上、新築の安め~中位の価格帯の3000万円~4000万円の6割ぐらい=1800万円~2400万円ぐらいなら、単純に価格としてはお買い得な部類に入ってくるという理解で予算を考えました。
この辺の金額なら、頭金をいくら入れるかの調整は必要ですが、住宅ローンの月々の支払いが賃貸マンションの家賃支払いとほぼ同額にしても20年以内に終われます。
希望がかなう家なら金額がもう少し高くなっても対応できる範囲なので、この金額帯で購入することを念頭に家探しをすることにし、結果的にほぼ当初想定していた範囲内の金額で購入できました。
1年本格的に+その前5年ゆるく探す中で見つけた家
冒頭の方でも書きましたが、「息子が中学生になったら個室を用意した方がいいよな」と漠然と考えていた中、賃貸マンションの家賃が2年後の次回更新からアップするという連絡があり、本格的に家探しに入りました。
当時、毎週末の金曜日と土曜日にアットホームを欠かさずチェック。
これは、金曜・土曜に新物件の情報が掲載されることが多いからです。お客さんになりうる人が土日に物件を探すことが多いので、それに合わせて多くの業者さんが物件情報を掲載するからですね。
しかし、本格的に探し始めて1年近く経っても、希望を満たす家がなかなか売りに出ませんでした。
ただ、真剣に家探しを始める前の5年間、実は毎週末アットホームをゆるくチェックしていたので、そもそも希望にかなう家は年に1件ぐらいしか出てこないことは分かっていました。
5年間ゆるく探していたというのは、息子が小学校に上がるタイミングでも家探しを考えたことがあり、結局そのタイミングでは買わず先に延ばすことになったのですが、いずれ必要になるから相場感を知っておきたいと思ってチェックはし続けていたという訳です。
(本当に良い家が出たら買うのもありとも思っていました)
ちなみに5年間+1年超の6年ちょっと見続けた中で、条件にそこそこ合致して良さそうだと思った家は下記でした。
1軒め:築30年台後半の木造軸組
南西角地。敷地に対する家の建物面積が占める割合が大きく庭がほぼないものの、日当たりはさほど悪くない。公園の眼の前から間に1軒あるだけの場所で静か。前面道路は両方とも狭い。外壁塗装1回はしてある。価格が新築の5割弱と安い。駅から徒歩22分。
⇛悪くはないけど、まだ探し始めの段階。もっと他も見たい。
2軒め:築20年前後の木造
南東角地。庭はコンクリ打ちで2台車が置けるスペースのみある。日当たり風通しは良いし、前面道路5~6メートルで、徒歩10分と立地はなかなか良い。ただし、建物がいかにもローコスト住宅で、ややペラペラ感あり。築年数の割に、外壁の一部に黒ずみ・カビ?が目につき、日当たり風通し良いのに何故?とも思う。価格は新築の8割ほど。
⇛立地はなかなか好条件であるが、やや細長い建物・間取り含めて建物がどうにもしっくりこない。急いで探している訳ではないので他へ。
3軒め:築30年台中盤の軽量鉄骨
南向きで庭が広いく日当たり良し。前面道路幅は普通で、車の往来は少なそうだがアスファルトやや荒れ気味。価格は新築の5割強で金額的にはかなりお買い得だと思う。学校にも近い。駅から徒歩21分。
⇛家の背後がけっこう高低差がある擁壁。のちのち擁壁関係の出費があると金額がかなり行きそう(左右両隣の方も擁壁をきちんとしてくれないと影響を受けそう)。前面道路の荒れも合わせて考えると、地盤的にどうなのかな?と。あと、軽量鉄骨はあまり好きではない。
4軒め:築20年台後半の木造軸組
南東角地で敷地が広く、カーポートに2台置けそう+庭あり。建物も1Fが大きく広くて間取りもよし。日当たり風通し良し。価格は新築の8割。上記2軒と比べると結構高いが、この敷地、家の作り、築年数の視点からするとお買い得。学校にも近い。駅から徒歩22分。
⇛これは本気で検討してもいいレベルなのでかなり迷った。ただ、家族3人で住むにはここまで広くなくてもいいかな(その分、金額をもう少し抑えたい)と思ったのと、この時住んでいたマンションが駅にも妻の職場にも近くて便利すぎて引っ越す決心がつかなかった。また、この時点で息子は小3だったので、総じてまだ購入の必然性が高くはなかった。
ちなみに2年後、業者が買って更地にして分筆し、新築建売2戸で売りに出されました。
5軒め:築30年台中盤の木造
南向きで日当たり良し。南側の庭は潰してコンクリで固めて車2台余裕で置けるスペースにしてある。間取りは西側玄関の使い勝手の良いよくある形。価格は新築の6割弱。徒歩17分。
⇛上モノ(建物)や駅までの距離、価格などを総合的に見ると一見悪くないが、僕としては強烈なマイナス点があった。谷地の底で暗渠か水路埋め立てのすぐ脇。一部そこにかかっていそうな立地。地盤がゆるい&湿気が出やすいので、見には行ったけどやはりNG。
6軒め:築20年台後半の木造
南西角地。コの字型の住宅街の1番奥に位置する。東と南の隣地の建物が近めなので、日当たりは今まで挙げた家より劣るが、高台なので悪いという程ではない。擁壁だが周りの影響は受けにくい形でまだしっかりしている。価格は新築の6割強。徒歩10分。
⇛日当たりや擁壁という懸念ポイントはあるが、それらの各問題がさほど大きくはなく検討には値する。駅までの距離、築年数、価格を総合的に見ると買っても良いかなと思った。しかし擁壁がかなり高く(擁壁内駐車場)玄関までにそこそこ階段を登る必要があることがネックになり購入に至らず。
7軒め:築30年台後半の木造(ツーバイフォー)
南向きで日当たり良し。庭付きのベーシックな戸建てで、間取りもよくある形で問題なし。少し擁壁ありだが家に入るのに段差はない。前面道路も普通幅。徒歩21分。価格は新築の6割弱。徒歩17分。築年数は古めだが、風呂、トイレは10年少し前にリフォーム済み。
⇛この家で決定。購入の決め手は総合力。マイナス点が少なく先に挙げた希望の多くを満たしている。建物が大手ハウスメーカーのツーバイフォーで、水回りのリフォームも一度はされていることが加点ポイント。建物の状態から、前持ち主(売主)さんが丁寧に手入れしながら生活している感じがうかがえたので、築年数の古さはほとんど気にならなかった(新耐震はもちろんクリア)。
番外編:超駅チカ物件
あとは、予算がふんだんにあったら買いたかったという家が、実はひとつありました。
築10年以内の木造で、駅チカ徒歩3分!しかしお店のない側で線路沿いでもないのでなかなか静か。南向きで道路も普通幅。しかも駅近だが車通りは少ない。庭付きで敷地も建物もそこそこ広い。価格は新築建売ボリュームゾーンの高い方ぐらい。
この駅近でこの敷地面積・地形だと、資産価値が下がらず、何かあってもすぐに高値で売れる。マイホームで暮らしつつも資産価値を保有ということを考えると、今思えば無理してでも買う価値はあったとも思う。
⇛ただ、当時子どもがまだ小2で、今すぐマイホームが必要という訳でもなかったし、無理してカツカツ・ギリギリの住宅ローンを組んでまで欲しいとは、当時は思わなかった。
結果的に、ここ5年で住宅価格が新築・中古問わず結構上昇したので、今この金額では出てこない。絶対にお買い得だった。資産価値を考えると1番良いのはこの家だったかな。
でも、今回買った中古戸建ては支払いに無理がなく安心して暮らせるので、平穏に生活を回していくことも考えると、良い判断ができたと思っています。
焦って買って失敗しないために長期的に探す
こうしてみると、購入をそれなりに検討しても良いかなレベルの中古戸建ては、1年に1件出てくるかどうがぐらいなんですよね。
ゆるく物件を見ていた5年の間を経てそのことは理解していたのですが、本格的に探すことに移行してからは1年経ってもなかなか良い物件が出てこなくて、賃貸マンションの家賃アップ期限までに購入・引っ越しできるのか、やや焦りもあったんですよね。
過去に売りに出たやつの中から選ぶべきだったのか?と思ったりも。
しかしその後ほどなくして、希望の多くがかなう今回購入に至った中古戸建てに巡り合うことができました。
息子が中学校に上がる1年前&賃貸マンションの家賃が上がる1年前というちょうどよいタイミングで、過去イチと言っていいぐらいの良い家に出会えたのはラッキーとしか言いようがありませんが、都合6年ほど家探しをしていたからこそ様々な物件を見て目が養われ、運を引き寄せて「この家ならいい!」と納得の決断ができたんだと思います。
ちなみに、購入後も地域の物件はチェックしていたのですが、半年後にこれまた我が家的には良い中古戸建てが売りに出されていました(笑)
⇛今回買った家を買い逃していたらこれにしていたであろうレベル。アクセスにバスが使えないのと建物が購入した家よりやや劣るが、価格は安い。
半年後ぐらいに見てみると、業者が買って、キッチン、浴室、トイレ、洗面所、全室クロス張替え等のリフォームをして、1,200万円価格が上がって再販されていました。
こうして振り返ってみると、中古戸建てを買うなら最低2年ぐらいは毎週末に欠かさず物件をチェックすることは大切だと思います。
そのぐらい継続して見続けると、買いたい地域の中古戸建ての相場が把握できますし、その間に不動産を勉強することで建物に対する知識がつくと同時に「この家なら良いかも」という感度を磨くことができます。
もちろん、自分たちの希望と優先順位に合致したものが出れば期間を問わず買いです。
満足のいく中古戸建てを購入することができた僕ら夫婦からアドバイスがあるとすれば
- 2年ぐらいは毎週末に欠かさず物件をチェックすることで地域の相場の把握と建物に対する感度を上げる
- 自分たちの希望を明確にし優先順位をつけておく
- 内装や設備のことより建物の構造と土地に関しての勉強をする
といった辺りになります。
あとは、ご家庭によって状況が本当に様々だと思うんですよね。ですので、あくまでご自身のご家庭の優先順位にマッチしたものを選ぶことに注力してください。
親とか友人とかの意見は参考にすれど聞き入れ過ぎない、他人の目を気にしないようにすることも大切です。
中古戸建てをマイホームに検討している皆さんが、納得の家を購入できることを願っております。応援していますよ!
「実際に物件を見たい」と問い合わせ→内見して数日後に買いたい意思表示→住宅ローン審査→無事に通ったので翌月末に売買契約を済ませて購入
この一連の流れは別ページに記載しています。
