2023年(令和5年)の土用の丑の日は「7月30日」です。
今年は丑の日が1回のみ回ってくる場合に該当します。
7月30日が「一の丑」となります。
ちなみに、夏の土用入りは7月20日で、
暑い夏が来ると、あの手この手でなんとかこの夏を乗り切らなければと思いますよね。毎年「今年の夏が一番暑いのではないか」と思うほど、体力が奪われていきます。
もちろん今年の夏も暑いわけですが、去年の夏も、またその前の夏も…夏は毎年暑いわけで、昔から人々はなんとかしてこの暑さを乗り切ろうとしてきました。
そのような風習の一つに「土用の丑の日」があります。
土用の丑の日と言えば、うなぎを食べることで有名。ややお高いうなぎも、この日ばかりは「食べておかねば」と奮発する方も多いのではないかと思います。
でも実は土用の丑の日に食べられてきたのはうなぎだけではないのですよ。
もくじ
そもそも土用の丑の日とは?土用とは?
土用というのは、雑節の一つ。暦には二十四節気がありますが、それ以外にも季節を示すものがありますので、それらを雑節と言います。
その中で土用というのは、二十四節気である「立夏・立秋・立冬・立春」のそれぞれ直前18日間のことを指します。
春夏秋冬それぞれの季節の始まりと考えられる二十四節気に合わせて、新しい季節を迎える準備をしてきたのですね。
この中で特に知られているのが、土用の丑の日。これは立秋前の夏の土用のことです。
立秋は旧暦では秋の始まりですが、夏至と秋分のちょうど中間なので、現在の暦では夏真っ盛りのころとなります。
暑さに負けずに乗り切ろうということで、土用の丑の日には「う」がつくものを食べる習慣があり、その最も有名なものがうなぎというわけです。もちろん、うなぎ以外にもあります。
丑の日は十二支に関連していて、暦に十二支をあてはめて「丑」に当たる日のことを言います。
ですから年によっては土用18日間の間に2回丑の日が回ってくる場合もあり「一の丑」「二の丑」などと言われます。
土用の丑の日にうなぎを食べる理由・由来・発祥
土用の丑の日に「う」のつくものを食べて夏の暑さを乗り切ろうとする考え方は、いわゆる「食い養生」ですよね。
ですから「ぜひ栄養のあるものを」と考えられたわけです。うなぎが選ばれたのはこの点が優れているということも関係しています。
暑い夏を乗り切るためにうなぎを食べる習慣というのは万葉集にも詠まれているほど古くからあるようなのですが、この習慣が広く広まった理由として諸説ある中、有名なのが江戸時代に平賀源内によって広められたとする説。
平賀源内は医師でもありましたがそのほかの面も大いに持っている人で、いわゆるアイデアマンだったようです。
そんな源内に、商売がうまく行かないで困っていたうなぎ屋さんが相談したところ「本日丑の日」という貼り紙をしたことでうなぎが売れ、これが次第に広まっていったのではないかと言われています。
うなぎという魚は白身魚でありながら脂質が豊富で食べごたえがあり、なおかつビタミンAやビタミンD、鉄分も豊富。
ごはんとともに味わわれることの多いうなぎですが、ごはんの炭水化物をエネルギーに変えてくれるビタミンB1も豊富なので、エネルギー変換効率が良く、体力が補われるのですから、確かにスタミナ食として申し分ありません。
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うなぎだけじゃない⁈ 土用の丑の日に食べるもの「う」の付くもの
土用の丑の日に食べようと考えられたのは、丑の日にちなんで「う」がついていることと、夏バテ予防や解消に良さそうだということ。ですからうなぎ以外にもいろいろとあります。
梅干し
「土用干し」という言葉をご存じでしょうか。
夏の土用中に虫の害を防ぐために陰干しして風を通すことを土用干しと言います。
衣類や本などが干されてきましたが、ここで干されるものの一つが、梅。
6月ごろに収穫された青梅を梅干しにしたくてもなかなか雨の季節が続くと難しいのですが、土用のころは少しずつお天気も回復してきて梅仕事が本番を迎えます。
昔は「三日三晩」と言われて、梅雨明けに3日間干していたとか。そんなわけで丑の日と梅干しには、かかわりが深いのです。
よく考えると、「土用の丑の日に梅を干しているということは、食べている梅干しは一年前のもの?」と思わなくもないのですが、そこは梅干しの持つ栄養的価値が夏バテ予防や解消にもピッタリだということで、浸透したのではないかと思います。
梅干しと言えば、なんといっても酸味。胃腸が弱り食欲が減退している時に、酸味が良い刺激となってくれます。
加えてクエン酸が含まれていることで疲労回復効果が期待できます。
しかし梅干し、「うなぎと食べ合わせが悪いのでは?」と思われた方もいらっしゃるかもしれません。
梅干しとうなぎの食べ合わせの悪さというのは、いわゆる迷信で、とくに根拠はありません。むしろ栄養的には相性が良いとも言えますね。
瓜
きゅうり、すいか、かぼちゃ、とうがん、ゴーヤー(苦瓜)など、ウリ科の野菜たちは夏に旬を迎えるものが多くあります。
水分を多く含んだこれらの実を食べれば、夏の暑さでほてった身体もクールダウンされますから、暑さ対策になりますね。
うどん
うどんは単に、「う」が付いていて、なおかつ身近な食べ物だったというところが大きな理由であるようにも思われますが、それにしても暑さでいまいち食が進まない時にもつるつると喉ごしよく食べられるうどんは、適した食べ物だとも考えられますね。
冷やして食べればコシの強さもしっかり感じられ、うどんのおいしさが楽しめます。炭水化物でしっかりエネルギーがチャージされるというわけです。
うなぎだけじゃない⁈ 土用の丑の日に食べるもの「土用●●」
「う」がつく食べ物以外にも、「土用」と頭につけることで土用の丑の日に食べられてきたものがいくつかあります。
土用餅
土用餅とは、いわゆるあんころ餅。餅とあんこというシンプルな組合せです。
小豆には厄除けの意味があり古くから食べられていました。
また餅は宮中の公家が餅を味噌汁に入れて土用入りの日に食べて暑気あたりをしないように願っていた風習があるとされています。
その2つを組み合わせて、土用の丑の日に土用餅を食べて、暑さや厄を払いのけ、無病息災で過ごせるようにとする縁起物となりました。
土用しじみ
しじみには8月ごろに旬を迎える「土用しじみ」があります。
冬にも旬があり「寒しじみ」として出回るので、夏にしじみが旬を迎えることをご存じない方も多いようです。
しじみにはカルシウムや鉄分が豊富。必須アミノ酸をバランスよく含んだ良質なたんぱく質と、ビタミンAやビタミンB群も含んだ栄養価の高さで体力をつけてくれます。
しじみには機能性成分のタウリンやオルニチンも含まれています。
肝機能の低下を回復してくれる働きが期待できますから、お味噌汁やごはんに混ぜるなどして、ぜひ夏バテ予防に食べたいですね。
土用卵
言わずと知れた栄養食品とも言える卵ですが、「土用卵」なるものがあります。これは土用に産み落とされた卵なのだそうです。
もちろん土用に産み落とされたものとその他の日に誕生したもので栄養価は変わりませんが、しっかり栄養をつけたいために卵を食べようとする考え方に、土用の習慣があわさって誕生した風習のようです。
まとめ
うなぎは好物とする方も多く、ぜいたく品でもあるためか丑の日前後でうなぎの動向については異常な盛り上がりを見せますが、実はうなぎ以外にも土用の丑の日に親しまれてきた食品はたくさんあるのですね。
最近ではうなぎが高嶺の花であることから、「うなぎパン」なるものを見かけることもあります。
うなぎのように細長く、チョコレートでコーティングしてうなぎを模したもので、もはやうなぎでもないわけですが、こういった食にまつわる風習は行事として楽しみ、「元気に夏を乗りきろう」と思う気持ちが一番大切とも言えますから、ご自身の好きな「う」の付くものを楽しんで、ぜひ暑い夏を健康に乗り切ってください。
今年の夏の土用はいつ?(立秋前の直前18日間)早見表
西暦 | 元号 | 一の丑 | 二の丑 | 夏の 土用入り |
夏の 土用明け |
2018年 | 平成30年 | 7月20日 | 8月1日 | 7月20日 | 8月6日 |
2019年 | 平成31年/令和元年 | 7月27日 | 7月20日 | 8月7日 | |
2020年 | 令和2年 | 7月21日 | 8月2日 | 7月19日 | 8月6日 |
2021年 | 令和3年 | 7月28日 | 7月19日 | 8月6日 | |
2022年 | 令和4年 | 7月23日 | 8月4日 | 7月20日 | 8月6日 |
2023年 | 令和5年 | 7月30日 | 7月20日 | 8月7日 | |
2024年 | 令和6年 | 7月24日 | 8月5日 | 7月19日 | 8月6日 |
2025年 | 令和7年 | 7月19日 | 7月31日 | 7月19日 | 8月6日 |
2026年 | 令和8年 | 7月26日 | 7月20日 | 8月6日 | |
2027年 | 令和9年 | 7月21日 | 8月2日 | 7月20日 | 8月7日 |
2028年 | 令和10年 | 7月27日 | 7月19日 | 8月6日 | |
2029年 | 令和11年 | 7月22日 | 8月3日 | 7月19日 | 8月6日 |
2030年 | 令和12年 | 7月29日 | 7月20日 | 8月6日 |
更新用メモ:
は2回丑の日が回ってくる場合に該当します。
7月◯日が「一の丑」で、8月◯日が「二の丑」となります。
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